NO Honey or Darlin’-net -3ページ目

変わりたいからここにいる

もう少し耳を澄ましていよう
君がいなくなった静けさ

もう少しここでしゃがんでいよう
胸の空洞 抱え込んで

こうやって一人ぼっちをうまくなれたら
次に好きになった人を
もっと大事にできると思う

このからっぽを知り尽くせば
もっといいあたしになれると思う

ナノ・プラネット

季節風は君だけを乗せて
僕は唯片時もこの平野に

陽が溶け落ち
星屑の天幕の下

夜が染み抜け
注がれた朝の下

次の季節風をひとりで受け止めたとて
この街のなかで僕はかならず再び落ちる

どんな涙や怒号の後でも
愛が寄り添うのは生まれる前からの決まり事


この小さな惑星のなかで

ミルクティーレイン

雫がコートに滴れて
昔、君がミルクティーを零したあの日を思い出す
甘い香りは消えず染みて
いい匂いだからいいじゃないと
腕を絡めてきてさ
それはそれは甘い香りに包まれてさ
今染みているのは
甘い匂いも無い、色も無い、唯の雫だけど
思い出エッセンスが呼び覚ました
それはそれは甘い香りに包まれた帰り道


また
雫がコートに滴れて
昔、君がミルクティーを零したあの日を思い出す


ユアネーム

君の名前。
好みの名前でなくても好きになれば関係ないさ。
そこに呼べる幸せが生まれたのだから。

呼び方なんて自由でよくって。
君が呼びたい名を。
それでよくって。

でも時間がもう少しあれば。
僕が砂時計を割らなければ。

名前で君を呼びたかった。
恥ずかしいくらいに呼びたかった。
枯れてしまうくらい呼びたかった。
あの場所でも。
いくらでも。


ただそれだけのこと。
そう。
ただそれだけのこと。



冷たい夜風が僕を撫でるよ。
優しく撫でて欲しいのに。
でもいいんだ。
その冷たさが好きでもあって。



そう。
ただそれだけのこと。


照らされた影、ひとりきり。

真夜中の路。
澄んだ空気。
街灯もない真っ暗な家の前の路が
途中で急に青く明るくなった。
ふと振り返って空を見上げたら月が居た。
月明かりは冷たいコンクリートに自分を写す。
その影はひとりぼっちだった。
月が照らす美しさを伝えたい。

青く照る路に温かさを。
僕の影に隣り合う誰かを。

空に向かって散文的に笑うよ。
居場所に戻ってきたらぬくい感覚が戻ってきたんだ。